さかしま劇場

つれづれグランギニョル

『ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド』の廃墟について語らせてくれ

 ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』にドハマリしました。今さら?という声が聞こえてきそうですが、そうです、今さらです。国内外の様々なゲーム賞を総ナメし話題になったものの、さすがに発売から3年がたち、一旦ブームはひと段落したかな、というこのタイミングでです。

 「多分お前好きだと思うよ」という言葉にホイホイされて、軽い気持ちで借りたんです。Switchというシロモノ触ったことなかったし。ゼル伝にずっと憧れはあったけど、プレイしたことなかったし。まァ借りれるならやってみるか~というノリで。

 好きだったわ。

 ちなみに僕はこれまで、ゲームというものをやりこんだ経験がほとんどありません。ゲーム禁止の家庭で育ち、ゲームをする罪悪感みたいなものを長らく引きずっていたのが原因なんですけど(過去記事参照)gothiccrown.hatenablog.com

 今では過疎をきわめたネットゲームだけやっていますが、サルでもできそうなクソゲーなので、いわゆるプレイング的な知識はいっさい身に付いていないままです。なのでブレスオブザワイルドについても、敵モンスターの倒し方だとか武器や防具の厳選といった攻略面での話はまったくできません。

 ではそんなゲームのゲの字も語れないマンが、なぜにブレスオブザワイルドについて語ろうとしているのか。

 設定がアツすぎて吐き出さないと死にそうだから。

 画面がアニメ調で色彩もやわらかいので、パッと見まったく重さを感じさせないブレスオブザワイルドですが、あらすじを今一度ふりかえってみてほしい。こんなん

「悪霊猖獗をきわめし文明崩壊後の世界(ポストアポカリプス)で、亡国の騎士が、喪われた姫君の面影を探し廃墟を彷徨う」

 ゲームだとしか言いようがないでしょう。出だしからこんなデカダンなゲームありますか???? 耽美退廃の世界に思春期をこじらせたオタクがハマらないワケがない。

 まァ本当に好きなのは、どちらかといえば『ダークソウル』のようなドチャクソ暗い世界観なんですけど。でもダクソは3回くらいプレイしてみて、あまりのむずかしさに秒で挫折しました。僕がダクソを好きでも、ダクソが僕を好きじゃなかったようです。一方のブレスオブザワイルドは初心者にもやさしかったので、ゲーム音痴な僕でもつづけることができました。そして見事に沼に落ちました。ありがとう、任天堂

 

 色々とまくしたてたいことはあるのですが、このゲームの醍醐味のひとつは、やっぱり遺構を巡り、在りし日の姿に想いを馳せることだと思うので、今回は廃墟について書こうと思います。マップ各地に点在する遺構はどれもが思わず足を止めてしまうような退廃美を放っているのですが、そのすべて挙げているとキリがないので、今回はグッときた廃墟の中でも特に過去の姿が明確なものに絞ってピックアップしました。なお、廃墟の「かつてこうだった」という情報は以下の公式本を典拠としています。プレイ始めてから秒で買ったよね。

 

 

 

火の海に沈んだ「ハイラル城下町」

 国が滅ぶというと、外敵が辺境から攻めてきて落城して、みたいなイメージをするかもしれませんが、ハイラル王国はまず真っ先に城がやられるんですよね。一応ハイラル城は険しい山に囲まれた盆地に建っていて*1、外からの侵略には多分だいぶ強い。のですが、ゲームムービーや、時の神殿で出会うハイラル王の台詞からわかる通り、ガノンって城の地下から復活してくるんですよね。天然の要塞に守られたハイラル城とはいえ、真下からこんなん湧いてきたらそりゃどうしょうもないわ。

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 城を守るはずだった古代兵器・ガーディアンも全部ガノンに操られ、城下町は徹底的に焼き払われてしまいます。公式本によると、商業学術ともに栄えたというかつての城下町はこんな情景だったようです。*2

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 ということで、このイラストと重なる風景を血眼になって探し回ってました。手前に噴水、右遠方にゲルドキャニオン、左奥に城門が見えて、ちょうどこの位置から見下ろすとイラストと似たような視界になりそうです。広場を囲むように立ち並んでいた家屋は跡形もありません。むなしい……最高だ……。

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 城下町の民家の屋根は青い瓦で葺かれていたようですね(DLC2弾のEx.思い出した記憶 その5「英傑たちの詩」の冒頭では、城壁の向こうに青い屋根が並んでいる風景をチラッと見ることができます)。公式曰く、ハイラル王家の公式カラーはロイヤルブルーだそうで*3(DLC2弾のEx.思い出した記憶 その5「英傑たちの詩」の中でも、ハイラル王が「我が王家の象徴とされてきた由緒正しき色である」と説明するシーンがあります。イギリス王室と同じ色だ)、それにちなんでいるのかもしれません。実際に廃屋にはわずかながら青い瓦が残っていました。煤にまみれて色褪せているのが、ウーン細かい!モデラーのこだわりを感じる!

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ハイラル王国 最期の地「アッカレ砦」

 城と城下町がガノンの手に落ち、生き残ったハイラル人は四方へ散り散りに逃げたワケですが、その多数はどういうルートをたどったのか、というのが以下の解説です。*4 残党兵は北東の「アッカレ砦」、民間人は南東の「ハテノ砦」へ流れた感じ。

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 なぜ主戦力が「アッカレ砦」へ向かったかというと、ここが地の利を活かした、難攻不落と呼ばれし最強の砦だったから。詳しくは先述のマスターワークスp.380-381をご参照ください、その戦略的構造について力説されています。

 しかしアッカレ砦も、最凶メカ・ガーディアンの猛攻にはかなわず、ついに陥落します。アッカレ連絡橋にいるNPCネルフェンの台詞が胸にしみます。「いわば ここは ハイラル王国が滅んだ 最後の地だ」。

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 ということで「猛き者も遂には滅びぬ平家物語)」な風景を堪能するためアッカレ砦へ。崩落した連絡橋にはガーディアンの残骸が大量に転がっており、すさまじい数の猛攻があったことがうかがえます。

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 よく見ると、関節部分に剣が刺さったままのガーディアンが。剣が錆びているところに時の流れを感じます。このガーディアンに勇ましく剣を突き立てた兵士も、激戦の末にきっと命を落としたんだろなァ。はかないぜ。

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 砦の随所に残っている大砲にはちょっと皮肉を感じたり。ガーディアンやシーカータワーに代表される魔法のような科学技術はすべてシーカー族によってもたらされたものなので、そのシーカー族を追放して技術知識が失われてしまった今(正確には100年前)ハイラル人がまともに使えた火器はこんな前近代的なモノだったのか、と。そりゃガーディアンには勝てんわ。砲口に蜘蛛の巣がかかっているのがプチ可愛ポイントですね。

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 アッカレ砦は断崖絶壁の上に建っているので、敵にとっては攻めにくいのですが、それすなわち味方にとってはアクセス最悪、ということで。なので頂上には広い居住スペースがあったようです。*5  シーカータワーの周りに残っている建物がそれです。

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 なぜタワーが建物をブチ抜いて生えているのかというと、「地下に埋まっているタワーが発見されないまま上に砦が建設されたから」*6らしい。「アッカレの塔」のてっぺんにはガーディアンの形骸が引っかかっていますが、これは居住区まで侵攻したあと停止したガーディアンが、100年後に起動した塔によって持ち上げられたから、なんですね。細けェ!

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 居住区の赤黒いブヨブヨにおおわれていない箇所に、棚や壺、樽といった生活品が残っています。

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 おもしろいのは、書物が残されているということ。この世界の識字率や本の希少価値なんかを考えると、娯楽用の線は薄いかな?と思いますが、孤高の要塞であったアッカレ砦は兵を派遣する「駐屯地」と作戦行動の拠点となる「基地」両方の意味を兼ねたはずで、生活スペースのすぐそばに、こうした書類仕事をしたり作戦会議をする書斎みたいな部屋も必要だったのかな~、と妄想がはかどるはかどる。

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おまけ 「ハイラル軍駐屯地跡」

 同じく生活の様子が垣間見える軍用施設として、ハイラル軍駐屯地跡」も結構おもしろかったのでついでに語らせてください。こちらはアッカレ砦と違って戦闘を想定していないあくまで「駐屯地」なので、遺構を見ていると、見張りのための塔以外はさほど高さのない居住用の建物で構成されていたであろうことがわかります。

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 残っているのはベッドや食器といった類。みなぎる生活臭!

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 この駐屯地のおもしろポイントは、噴水とそれを囲んだ広場の遺構があることです。ここからより南に位置する「コロモ駐屯地跡」にはこれがないんですよね。水を使うためなら井戸で十分なはずですが、どうして軍用施設に、人々の憩いの場となるような噴水があるのでしょうか?

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 駐屯地というのは一定の人数が寝泊まりする場所なので、当然そこにいろいろな需要も生まれます。それにこたえる形で商人や職人、女性などが移り住み、やがて駐屯地が都市として発展した、というケースがよくあるらしい。たとえばイギリスのランカスター Lancaster ウインチェスター Winchester も、その地名はラテン語で「駐屯地」を意味する接尾語castraが由来で、もとは古代ローマ軍の駐屯地であったことがわかります。

 それと同じように、ハイラル軍駐屯地も、はじめはただの駐屯地だったのでしょうが、やがて軍人以外の人も住むようになり、広場を要するような「街」にまで発展していた、ということが、この噴水跡からわかるんです。けれどそのにぎわいも消え失せて、今やただほころびた旗が音もなくはためくのみ……良い……。(語彙を失ったオタク)

 

 

 

奇跡を起こした「ハテノ砦」

 軍兵によって守られながら陥落した、先述のアッカレ砦の一方で、民間人が守ったハテノ砦はどうなったか?というと、こちらはたいした設備でもないのに防衛に成功しています(!)ゼルダ姫や民間人とともに南下したリンクが、道中で相当数ガーディアンを駆逐したのと、陥落する前にゼルダ姫が覚醒してくれたのが功を奏したらしい。*7 100年前のリンク強すぎる。僕がプレイするとガーディアン1匹を相手に死ぬのだが?

 ということで、100年前はたどり着けなかったハテノ砦(100年前リンクはハテノ砦の手前のクロチェリー平原で力つきている)を拝みたおしに行きます。相当数のガーディアンが平原一面にひろがり、今まさに砦を越えようとしているところで停止しています。自分がこの時代この場所に居合わせなくてマジで良かったと思ってしまった。この景色だけですでにチビるくらい怖いのに、ガーディアンが動いたらもはや地獄絵図でしょ……。

↓ ちなみにこのへんのスクショからようやくUIが消せることを知る。これだからゲーム音痴は。

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 絶壁の上に要塞のごとく築かれていたアッカレ砦と比較すると、ハテノ砦は平原にデンと構えられた、ただの壁のような造りであることがわかります。どう見ても戦闘を想定した構えではありません。ここは砦というより、中央ハイラルとハテール地方を往来する人々を監視するための関所だったようです。*8

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 ところどころ木材で補強されている箇所があります。塀が崩れているのはガーディアンの攻撃によるものだそうですが、今なお修復されていないのは、金がないのと、厄災で技術者がいなくなり再建が不可能であるから、らしい。*9 ここが100年前より何もかも後退してしまったポストアポカリプス世界であるということがこうした部分にも見られて、非常に美味しいです!ごちそうさまです!

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 ちなみに破壊される前の姿はこんな感じだったらしい。*10 いや壁じゃん。

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 砦付近から眺めるクロチェリー平原が本当にすこすこのすこです。まさに松尾芭蕉が詠んだ「夏草や 兵(つわもの)どもが夢の跡」という景色そのもの。奥州藤原氏がかつて栄華を誇りながら、芭蕉が訪れた時にはすでに寂寞たる光景であった平泉のように、ここで乱戦を繰り広げたであろうガーディアンもハイラル人も、今や草木に埋もれ、そこにはザワザワと風が通りすぎるだけ……。

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 ここで僕も一句。「廃墟厨 ブレワイをやれ 外出るな」(コロナ流行ってるからね)

 

 

廃墟美の極致「ラネール参道」

 力の泉や勇気の泉で修行をしたものの封印の力に目覚めることができなかった100年前のゼルダ姫は、17歳になったあかつきに、最後のチャンスとして知恵の泉を訪れます。その際に西口から東口へ通過したと思われるのが、この「ラネール参道」です。思い出した記憶 その15「大厄災 復活」のムービーで、4人の英傑が東口で姫の帰りを待っている様子を確認したので、今はどうなっているのだろうとさっそくすっ飛んで行きました。

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 が、100年前と全ッ然変わっとらんやんけ!ぬかったな任天堂!建物がボロボロになってない方がキレられる、そう、ブレスオブザワイルドならね。

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 ちなみに門の検討稿にはこんなデザイン案があったそうです、むちゃくちゃ荘厳だ。*11 こっちを実装してガタガタに崩壊させてくれたらもっと最of高だったのにな~~~~とワガママを言ってみたり云々。

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 ラネール参道、ブレスオブワイルドで一番好きな廃墟です。これは個人の持論ですが、美しい廃墟の3大要素は、①崩落した建築物 ②それをおおう植物 ③そこに溜まった清水 だと思っていて。アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』や『ストーカー』はなぜかくも美しいのか? それはこの3つの要素が詰まっているから。そしてラネール参道も、この「美しい廃墟の3大条件」をすべて押さえている最強の廃墟なのです。

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 もともとは、スクリーンショットの奥に見える滝から流れこんだ水の上に参道が敷かれていたと思われますが、現在参道は崩落していて、外壁以外の大部分が池の底に沈んでいます。自分が死んだらこの水底に眠る広場に墓を建てたい。(遺言)

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 そして見てくださいこの樹の根が建築物を取りこもうとしている部分。人工物が植物にとりこまれている様子がいかに素晴らしいかという事実は、すでに我々の世界におけるアンコール・ベンメリア遺跡が身を呈して証明しています。私たちはその尊さを、『天空の城ラピュタ』でさんざん学んだはずです。そんな廃墟の基礎中の基礎がシッカリ押さえられている、このたしかな信頼できる感。ウーン、5億万点!

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 しかも夜になると、ネルドラが参道跡の上空を通過していくんですよね。人工の遺物は水底に沈み、自然の神秘は夜空を飛来する……。これぞ野生の息吹(ブレスオブザワイルド)……。(感涙)

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謎の古代文明「ゾナウ遺跡群」

 ハイラル王国には成立年代不明の古代文明がいくつか存在しており、その痕跡のひとつが「ゾナウ」と呼ばれる民族が残したといわれている「ゾナウ遺跡」です。「ナゾ」の文明だから「ゾナウ」らしい。*12 なんて雑なネーミング。

 密林の中にあり視界が悪く、頻繁に雨が降って壁のぼれないわ焚火はつかないわ腹立つのでここの散策はあまり好きじゃないんですが、いかにも古代文明!みたいな雰囲気はとても好きです。

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 先述の「美しい廃墟の3大要素」もすべて兼ね備えていてはなまるぴっぴですね!

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 水龍信仰があったと公式本には書かれており、これら独特の石像は水龍を表しているようです。*13 

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 以下の写真はメキシコに行った時に撮ったマヤ文明の遺跡・チチェンイッツァにあったククルカン像ですが、上のゾナウ遺跡の石像と非常によく似てます。そもそもチチェンイッツァというのがマヤ語で「聖なる泉のほとりの水の魔法使い」を意味するそうで、この辺からゾナウ遺跡のデザインを引っぱってきてるんじゃないか、と個人的にはにらんでいます。

 ちなみにククルカンというのはマヤ神話の最高神にあたる、羽毛のはえた蛇の神様のこと。まァメキシコの竜みたいなモンです。創造神的な性格が強く、本来は水に特化した神様ではないんですけど。

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 ゾナウ遺跡の壁面を見ると、これまで見てきたハイラルの遺跡とは意匠がまったく異なることがわかります。柱の部分には、四角に収められた蛇のような生物の絵が並んでいますが、

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  これは、正方形のマスに主字と接字を収めて構成されるマヤ文字がモチーフになっているのではないでしょうか。マヤ文字ってこういうやつ。(メキシコの博物館で撮ってきた写真 ↓)

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 以上を鑑みると、ゾナウ文明のイメージの下敷きにはマヤ文明があると推測されます。が、今一度ふたつ上のスクリーンショットを見返していただきたいのですが、柱にはさまれた壁の部分に、数珠をつないだような浮き彫りが縦並びになっています。これは南米ではなく、以下の写真のように(記憶に間違いがなければ多分アンコールワットで撮った写真。違ったらすいません)、東南アジアの仏教施設に見られる連子窓のデザインです。ゾナウ文明は「熱帯をコンセプトにした」と公式本に記載があるので*14、ゆたかな熱帯雨林の中で花開いた東南アジアの美術もまた引用されているんでしょう。

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 ちなみにゾナウ遺跡には水竜だけでなくフクロウやブタの石像もあるのですが*15、こうしたモチーフはマヤ文明には存在しないので、あくまでマヤ文明はゾナウ文明のイメージそのものではなく下敷きとしてある、と個人的に考えていることを補遺させてください。

 

 

 

過去の舞台もいまや夢の跡

 僕はゼル伝の過去作は一切プレイしたことがないのですが、ブレスオブザワイルドには過去にゼル伝シリーズに登場した舞台や種族がかなりの数で再登場しているそうで。以下は海外のゼルダファンの方が作った、ゼル伝の過去作とブレスオブザワイルドの比較動画です。

youtu.be

 特に、

 なんかは規模もデザインもほぼそのままブレスオブザワイルドに再現されていて、過去作をやったことない僕ですらむちゃくちゃ感動してしまいました。ゼル伝の経験がある人は余計にたぎるんじゃないでしょうか。非常に内容が濃くわかりやすかったので、オススメの比較動画としてシェアしておきます。

 

 

 

おわりに

 以上、超主観に基づいた廃墟めぐりと所感でした。ゼルダ姫ほったらかして延々と崩れた建物をながめている勇者と化してしまった。クエストをこなすためでもモンスターを狩るためでもなく、ただ廃墟のベストショットを撮りたいがために焚火燃やしまくってますが、それもきっとブレスオブザワイルド(のはず)。今しばらくは、僕の一番の敵はライネルでもガノンでもなく、廃墟の景観を邪魔する天候や日差しの角度になりそうです。

 

 

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: Video Game
 

*1:NintendoDREAM編集部編(2017)『ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第3集 THE LEGEND OF ZELDA BREATH OF THE WILD:MASTER WORKS ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド:マスターワークス』徳間書店, p.352

*2:同上, p.226-227, p.366-367

*3:同上, p.61

*4:同上, p.378

*5:同上, p.380

*6:同上, p.381

*7:同上, p.379

*8:同上, p.379

*9:同上, p.379

*10:同上, p.256

*11:同上, p.276

*12:同上, p.336

*13:同上, p.407

*14:同上, p.326

*15:同上, p.336