さかしま劇場

つれづれグランギニョル

2020-01-01から1年間の記事一覧

『この世界の片隅に』は過大評価されすぎている

8月になると毎年、テレビでは反戦番組が特集されます。金曜ロードショーでも『火垂るの墓』『硫黄島からの手紙』などが毎年放映されてきましたが、きっとこれからその常連に仲間入りするであろう映画が2016年に登場しました。 『この世界の片隅に』です。 す…

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に見る西洋と東洋、およびその構図が暗示するアイロニーについて【後編】

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』における西洋性と東洋性の対立構造を読み解くシリーズ、最後回です。 【前編】では、ハイラル王家の「西洋性」を、 gothiccrown.hatenablog.com 【中編】では、シーカー族と彼らの残した古代遺物の「東洋性」を、それ…

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に見る西洋と東洋、およびその構図が暗示するアイロニーについて【中編】

前回の記事で、「ブレスオブザワイルドのハイラル王家はなぜ『西洋的』なイメージを与えるのか?」という考察を行いました。 今回はその続きとなる「ブレスオブザワイルドのどこが東洋的なのか」を考察する【中編】となります。【前編】を未読の方は以下のリ…

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に見る西洋と東洋、およびその構図が暗示するアイロニーについて【前編】

前回の記事でも熱弁しましたが、ここしばらく『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』。にハマっています。厄災ガノン(ラスボス)そっちのけで延々と廃墟を徘徊し、そこらじゅうの石をひっくり返し木々を爆破しコログに凸る日々です。マジでコログ全部で900匹…

『ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド』の廃墟について語らせてくれ

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』にドハマリしました。今さら?という声が聞こえてきそうですが、そうです、今さらです。国内外の様々なゲーム賞を総ナメし話題になったものの、さすがに発売から3年がたち、一旦ブームはひと段落したかな、というこの…

コロナパンデミックに失策を重ねる政府に今『グエムル ー漢江の怪物ー』

コロナウイルス(COVID-19)の猛威が止まりません。 緊急事態のピンチにこそ人の本質本性が見えるというもので、感情的になる人、泰然自若としている人、パニックにおちいっている人、保身に走る人、などなど、「この人はこういう人だったんだなァ」を目にす…

100日後に殺されたワニ

きくちゆうき氏が2019年12月12日から2020年3月20日にかけて、Twitterに連日投稿した『100日後に死ぬワニ』。回を追うごとにジワジワと人気を集め、投稿されるたびにトレンドを席巻するようになったこの四コマ漫画は、100日目にワニが死んだ日には阿鼻叫喚と…

『ミッドサマー』のルーン文字を歴史と言語学観点からガチ調べした【後編】

前回まとめたルーン文字についての知識をもとに、今回は『ミッドサマー』に登場するルーン文字を解説していきたいと思います。 北欧型ルーンとアングロ・サクソン型ルーンの違い、ルーン文字の想起語的意味とルーンリーディングの違い、などの前知識がない方…

【オタク御用達】『ミッドサマー』のルーン文字を歴史と言語学観点からガチ調べした【前編】

アリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』について、本ブログで全5回にわたり個人的な感想と解説を書いてきました。が、今回はちょっと映画の本筋は置いておいて、作中に出てくるルーン文字というモチーフについてむちゃくちゃ調べたので、その記録を書き残…

『ミッドサマー』で浄化された話 その⑤ドラッグ編

『ミッドサマー』を観てハラハラドキドキするつもりが、不覚にも無限の浄化作用を受けて帰ってきてしまった人が語る、『ミッドサマー』解説と感想になります。 今回は、 原始宗教、民俗のエモさ 美しいものが破壊される瞬間のカタルシス 魅惑の死体 これはメ…

『ミッドサマー』で浄化された話 その④メンヘラ救済編

『ミッドサマー』を観てハラハラドキドキするつもりが、不覚にも無限の浄化作用を受けて帰ってきてしまった人が語る、『ミッドサマー』解説と感想の記事です。 今回は、 原始宗教、民俗のエモさ 美しいものが破壊される瞬間のカタルシス 魅惑の死体 これはメ…

『ミッドサマー』で浄化された話 その③魅惑の死体編

『ミッドサマー』を観てハラハラドキドキするつもりが、不覚にも無限の浄化作用を受けて帰ってきてしまった人が語る、『ミッドサマー』解説と感想の記事です。 今回は、 原始宗教、民俗のエモさ 美しいものが破壊される瞬間のカタルシス 魅惑の死体 これはメ…

『ミッドサマー』で浄化された話 その②美の破壊編

『ミッドサマー』を観てハラハラドキドキするつもりが、不覚にも無限の浄化作用を受けて帰ってきてしまった人が語る、『ミッドサマー』解説と感想です。 今回は、 原始宗教、民俗のエモさ 美しいものが破壊される瞬間のカタルシス 魅惑の死体 これはメンヘラ…

『ミッドサマー』で浄化された話 その①原始宗教、民俗編

アリ・アスター監督『ミッドサマー』、映画館に行って観てきました。 「狂気の祭」なんてキャッチコピーにも書かれたりしていて、一体どんなトンデモサイコ映画なんだろう、なんて内心ちょっとドキドキしたりもしてたんですが、 観終わって映画館を出た時、…

湯船にお湯が溜まりません

今年は暖冬だとは言うけれど、冬は冬である。寒いことに変わりはない。 凍えて帰宅した時、時折浴槽にお湯を溜めようとする。そして途中で諦めて栓を抜いてしまう、ということをよくやる。 今の賃貸に引っ越してもう3年になるのだけど、この部屋の湯船には未…